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乃木坂メンバーも出演していた舞台『三人姉妹』の感想

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どうも、暇なソクラテスです。

先日、銀座博品館劇場で舞台『三人姉妹』を鑑賞してきました。

今回はその感想をつらつらと書いていこうと思います。

乃木坂46の衛藤美彩さん、伊藤純奈さん、久保史緒里さんについても書いてみようかな。

では、いってみよう。

三人姉妹とは

『三人姉妹』はロシアの作家アントン・チェーホフの戯曲です。

(チェーホフさんです。なんか、文豪感ありますよね。笑)

1900年に執筆された作品で、『かもめ』『ワーニャ伯父さん』『桜の園』と共に「チェーホフ四大戯曲」と称されています。

これまでにオペラ、映画、演劇などなど、多くの形で表現され、愛されてきた作品です。

そして、2018年1月~2月にかけて銀座博品館劇場にて舞台化されました。

主演の三姉妹に大人気アイドルグループ・乃木坂46から衛藤美彩、伊藤純奈、久保史緒里が抜擢されたことで一気に話題になり、前売りチケットは完売、当日券を求めて行列ができるほどでした。

年齢差的にも、三人姉妹を演じるのにピッタリです。

三人姉妹のあらすじ

Wikipediaより引用いたします。

独身で教師の長女オルガ、夫に幻滅を感じ結婚生活に不満を抱える次女マーシャ、人生を歩み始めたばかりの三女イリーナも現実の厳しさを知り、行く末を決めかねている。高級軍人の一家として過ごした華やかな生活も、父親を亡くしてからはすっかり寂れてしまった。厳格な父親のもと身につけた教養も低俗な田舎町では無用の長物と化し、一家の期待の星であった長男アンドレイも父親の死後はぱっとせず、姉妹が軽蔑する土地の娘と結婚して尻に敷かれている。姉妹の唯一の希望は、昔暮らしたモスクワへ帰ること。一家が最も輝いていたモスクワ時代を理想化し、夢想することだけが現実の不安を吹き払ってくれる支えになっていた。

その町で姉妹が楽しく交流できるのは、父親と同じ軍人たちだけである。快活に見える彼らもまた個々の問題を抱えながらそれぞれのやり方で現実をやり過ごしている。マーシャはその中の一人と不倫し、イリーナは二人から求愛されている。真実の愛を夢見ていたイリーナだが、現状打破の手段として愛のない結婚を選択する。軍の移動が決まり、一家との別れの時を迎えたその日、イリーナの婚約者が死亡する。

時代背景と一家の状況解説

舞台はロシア革命直前の帝政ロシア末期です。三人姉妹の父親は、将軍として辺鄙な田舎町のトップに君臨していました。一家の暮らす大きな屋敷はとても大きく、将校たちの社交場として機能していました。王侯貴族の優雅な暮らしぶりと、農奴たちの貧しい暮らしが混在する田舎の街です。格差社会の縮図とも取れます。

物語の始まりは将軍の父が亡くなって一年ほど経ったあたりです。本来であれば軍隊から離れ、庶民的な暮らしをしていれば問題はなかったのですが、生活は変わらず、屋敷では祝い事があるたびに将校たちによる宴会が行われています。

極めて平和な時期の軍隊ですので、将校たちはやることもなく、酒を酌み交わしては哲学的な議論をするばかりです。そんな貴族的な社交の場に住んでいるわけですから、三人姉妹(+長男アンドレ)は会話レベルの合う教養を身につける必要がありました。そんな背景もあり、兄妹はみなマルチリンガル、音楽にも造詣が深いのです。もう貴族の地位ではないけれども、貴族の生活を続けていた、という感じでしょうか。

しかしながら、身につけた教養はこんな辺鄙な田舎町では生かせないと、兄妹はみな感じていました。社交の場での議論が、どこかモスクワの真似事のように思える。本場を知らない人間の空虚な話しぶりを蔑んでしまう。それゆえ、この一家の希望は、10年前まで暮らしていた「モスクワ」に戻り、身につけた教養を生かしながら貴族的な生活を送ることだっだのです。

感想

状況解説からいきなり飛んでしまっているのですが、ひとまず感じたことを書いていきます。

まずは、この物語のポイントは「退屈さ」にあるなと思いました。平和すぎて機能しない軍隊、暇つぶしのための社交場すら暇に感じてしまうほど、波風の立たない空虚な時間。この物語を構成する重要な部分だと思います。貴族的な生活を象徴していて、この後の展開に非常に強く響いています。

『三人姉妹』は、徐々に崩壊していく一家の様子を描いている作品ですが、具体的に壊れ始めるのは、長男アンドレの膨大な借金と妻ナターシャの不倫が明らかになるあたりです。これ、貴族の社交の主宰者夫婦の所業だと考えると、ひた隠しにしておきたい事実です。貴族的な暮らしが崩壊することへの暗示とも取れますね。

三幕は街の火災から始まり、平和ボケした軍隊と兄妹が自分たちの無力さを思い知らされます。社交の場で使う教養や身の処し方は、現実に起きた火災に対処するには意味をなさなかったのです。そして、この絶望的な状況によって、登場人物の本音がバンバン出てきます。「街の火災と混乱」という設定によって、一家の崩壊を引き起こすピースがそろいます。チェーホフの戯曲「桜の園」では、金銭的な事情という外部要因で崩壊していく様が描かれていますが、三人姉妹では一家の内部崩壊が描かれています。見ていて気持ちのいいものではないですが。笑

四幕は軍隊の旅立ちから始まります。屋敷はナターシャが支配し、三人姉妹の住む場所ではなくなります。長女のオリガも、二女のマーシャも、三女のイリーナも、それぞれの暮らしの始まりを目前に控えた日という設定です。

ここでショッキングな出来事が起こります。イリーナが結婚し、一緒に暮らすはずだった男爵トーゼンバフが親友ソリョーヌイとの決闘で殺されてしまいます。しかしながら、その死に誰も心を痛めることはありません。このシーンで、三人姉妹が感じていた社交の場における上辺だけの関係が浮き彫りになります。もしかしたらもう一家は完全に崩壊していたのかもしれませんね。

モスクワに行きさえすれば万事うまくいくと信じてやまなかった姉妹は、ささやかな幸せさえつかむことすら叶いませんでした。遠ざかる軍楽隊の音を聞きながら、冷え切った心を互いに感じて姉妹が寄り添います。何かにすがり、どうにかして生きる希望を見出そうと誓うシーンを最後に、幕を閉じます。

何とも重苦しく、決して愉快な気分になるような物語ではありません。しかしながら、帝政ロシア末期の閉塞感や、時代と境遇に翻弄された三人姉妹の感情が巧みに描かれた作品でした。これだけ波風の立たない戯曲は珍しいような気もしますが、チェーホフの描いたものを繊細に汲み取りながら舞台に落とし込んだ制作陣、そして高い演技力で観客を引き込んだ演者の皆様の力はすごいなと思いました。シリアスな内容を、飽きさせずに演じるのってとても大変だと思います。ありがとうございました。

乃木坂メンバーの演技について

さてさて、筆者がこの舞台を鑑賞しようと決めたのは乃木坂のメンバーが主演を務めるからという理由です。まあ、チェーホフの四大戯曲は一通り知っているので、そちらの興味もありましたが。笑

今回は1期生の衛藤美彩さん(以下、みさ先輩)、2期生の伊藤純奈さん(以下、じゅんな)3期生の久保史緒里さん(以下、久保ちゃん)が主演を務めました。年齢差も姉妹感のある、素敵なメンバーが選ばれました。個人的にメンバーの演技について思ったことを、ファンらしくべた褒めする形で書いていきます。笑

まずはみさ先輩。長女のオリガ役を見事に演じていましたね。一家をまとめるしっかりした部分も見せつつ、教師の職で疲弊している様子も上手く演じていました。何と言っても声が綺麗で、舞台映えしていましたね。また、目線の演技がすごく魅力的でした。普段からしっかりしているのはブログやメンバーの証言から知っていますが、オリガ役がすごくハマっていましたね。新しいフィールドでも活躍する姿を見られたのが嬉しかったです。みさ先輩は才能あふれる人、そして、努力ができる人。尊敬してます。お疲れさまでした!

次にじゅんな。前々からファンの間では舞台のじゅんなはすごいということは聞いていました。どんなもんだろうかと期待しながら鑑賞していましたが、いい意味で裏切ってくれる演技でした。マーシャは本を読んでいたり、寝ているシーンなどもあったりと、セリフがない分表現するのが難しい役柄だと思います。しかし、口数が少ない役ながらも独特の存在感がありました。終盤の激しく咽び泣くシーンでは、会場を完全に引き込むような鬼気迫る演技を見せていました。普段はアイドルとして笑顔のイメージが強いだけに、ギャップのある姿がとても魅力的でした。きっとこれからも様々な舞台に引っ張りだこになるんじゃないかなと思います。うん、本当にすごかった。お疲れ様でした!

最後に久保ちゃん。3期生ということでまだまだ経験が浅いところもあるし、どれだけ演じられるんだろうなと思いながら見ていました。ふたを開けてみたら本当にびっくり。イリーナは序盤と終盤ではキャラが違う(モスクワへの希望に満ち溢れているキラキラした感じ→ささやかな夢すら叶えられない悲壮感を纏った感じ)なと思っていたのですが、その演じ分け方がすごく上手でした。正直、ここまで演じ切るとは末恐ろしい存在だと思いましたね。これからもグループの活動にとどまらず、様々な方向で力を伸ばしていってほしいなと思いました。お疲れ様でした!

まとめ

乃木坂46のおかげで、様々なものに興味を持つことができるようになりました。今回の舞台も興味を持ったものの一つです。劇団四季などのミュージカルは何度か見たことがありますが、三人姉妹のようなシリアスなものは今回が初めてでした。ミュージカルとは違って、歌唱シーンなどはありません。残念なことに周囲には寝てしまっている人もいましたが、筆者は作り込まれた世界観に引き込まれて、あっという間にエンディングになっていました。ああ、こんなに心を動かされるものが舞台にはあるんだなと、初めて知ったわけです。

乃木坂のメンバーを見に来たはずが、結果的に舞台に興味を持って帰ることになる。それが筆者の中ですごくありがたいことだと思っています。世界が広がっていく感じです。ラジオも乃木坂からハマって、今やJUNKやらANNやらを毎日聴いています。毎日寝不足です(笑)。でもその分、充実しています。面白い世界へと次々に引き込んでくれる彼女たちに感謝です。これからも活躍を応援しつつ、自分の世界も広げていければなと思います。

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